PERSONA MOON

　棗先輩のエピローグを別に載せてみました。
思い切りネタばれしてるので気をつけて下さいね。

恵人先輩と辻先輩のエピローグは全キャラ攻略の後で載せます。

　学園祭が終わって数日が経ち学校はいつも通りの風景を取り戻しつつある中、棗と学園祭最後の仕事である最終経費の報告書を作る主人公。
計算し終えたものを棗に渡すとミスもなくあとはこっちでまとめておくと言われて大きく伸びをすると外は夕焼けで作業をしている内にだいぶ時間が経っていた。
玄関でと棗が準備室を出て行き主人公も帰り支度をしに教室へ行くと委員会で遅くなったらしい美影に会い、棗と上手くいっているのかと興味津々で手とか繋いでるのと聞かれて恥ずかしさを誤魔化す為に大げさに首を振る主人公。
じゃあただ一緒に帰ってるだけと言われてそういえば付き合うようになってから進展がないなと急に不安になってくる主人公だった。
商店街を二人で歩いてると新しい冬服とか買いたいなとコートを見ていて少し先を行く棗に置いてくよと言われ追いかけると、楽しそうなカップルが目に入りそういえばちゃんとデートもしてないなと思う主人公。
何を考えてるのと聞かれてごまかすが「当ててみようかデートしたいと思ってたでしょ」と言い当てられて、今週末空いてるか聞かれ頷くとそのまま空けておいてと言う棗にデートですかと思わず確認してしまう。
どこに連れて行ってくれるのか聞くと水族館は好きと聞かれて大げさに頷くと顔を緩めて犬みたいと言われてしまい、はしゃぎすぎたかなとしゅんとなる主人公にいいんじゃないと、可愛いと思わないでもないと早口で言って視線を外す顔が赤かった。
デート当日早めに起きて色々服を合わせるがぴんとこなくて待ち合わせ時間が近付き結局お気に入りの服で家を出る主人公、時間に五分遅れて走って待ち合わせ場所に行き声をかけると振り向いた棗が目を見開いて固まってしまう。
声をかけると我に帰って行くよと歩き慌てて出し追いかける主人公、水族館は家族連れやカップルで混んでいて混んでますねと言うと「休日だし混んでなきゃやってけない」と冷静な返事にそうですねと言いながらドキドキしてるのは自分だけなのかなと思う。
入ってすぐ海底トンネルのような通路でイルカが見えるらしいと上を見上げる棗、二匹のイルカが泳いでるのが見えたが先に進もうと言われてもうと思う主人公いつもと変わらない棗が楽しんでいるのか気になって仕方ない。
メインはこの先にある世界最大規模の海ほたるの水槽でほとんどの人はしれが目当てで来ているのだと人込みのほうへ進む二人、人込みで進めずにいると棗の声がするが姿が見えずにきょろきょろしているといつのまにか水槽のすぐ手前で手を上げていて。
人を掻き分けてやっと側に行くと腕を掴み自分の前へ体を引き寄せる棗、肩に乗せられた顔が近くて吐息が耳元をくすぐる。
暗い水槽に海ほたるの光が揺れていて星みたいというと僕もそう思ってたと笑みを浮かべる棗、その表情にデートを楽しんでくれてると安心する主人公だった。
しばらくの間海ほたるの水槽の前で二人だけの時間を過ごしたあと一通り回ってお土産屋さんの前のベンチで休む二人、棗がジュースを買ってる間お土産を見る主人公は海ほたるをデザインしたスノードームの付いたキーホルダーを手にするとこれなら喜んでくれるかなとレジに向かっていた。
水族館を出てからほとんど会話もなく楽しくなかったのかなと思う主人公、ごめんと足を止める棗が「僕といてもつまらなかったでしょ、女の子が喜ぶような会話も出来ないし」と、一緒にいられて楽しかったと言っても自信が無さそうで本当はまだ帰りたくないくらいだと恥ずかしいけど本音を言うとやっと安心したように息を吐く。
同じ事を考えてたと主人公の手を引いて公園へ向かう棗、ベンチに座って空を見上げる棗に水族館で買ったキーホルダーを差し出すと棗も同じものを主人公に買ってくれていて交換しお揃いだと微笑む。
同じ事を考えてたなんて嬉しいと言うとちょっと嫌味っぽく「いつもは僕が何を考えてるかわかってないもんね」と、そんなことないとむくれると「じゃあ今何を考えてるでしょう」と聞かれて何ですかと降参する主人公、肩に手を置いて「主人公に触れたい」と手が頬に触れ「それでキスしたい」と。
誰かに見られたらと言うと「主人公は僕のだと見せ付ければいい」と近付いてくる顔に目を閉じると唇に暖かい感触が、魔法にかかったように動けず時間だけが流れて。
唇が離れると「そんな可愛い格好をしてきてせっかく我慢してあげたのに、そんな可愛い顔するのが悪い」と言う棗、付き合ってるのに我慢されるの寂しいなと思って触れられるのは嫌じゃないというとわかってないと。
そんなかわいらしいもんじゃないと唇を重ねに来る棗から離れようとするとかわいらしいもんじゃないって言ったのにと、「ダメ、逃がさないよ」と今度は力強く深いキスでドキドキするけど慣れてくると心地がいいと思う主人公。
唇が離れ息を吐くと「見たことも無いくらい可愛い顔してる」と溶けそうなほど甘い微笑みで抱きしめられ、棗こそ男の子っぽくて見たこと無い顔をしてると思っていると「誰にも渡さないからずっと側にいて」と。
夜の公園でどちらからともなくお互いを求め合い冬の訪れを告げる星々が見守るように輝いていた。

[3回]